所在地 前橋市三夜沢町
テレ朝の「TRICK」を思い出しました
参考
「関東の名山赤城山は、はやくこれを大人佩く神が顕現せられ、南麓には赤城神社(式内)が鎮まりまし上野国中の崇敬をあつめたが、近年に至りその諸峰中の一たる荒山の南方、赤城神社の北方約十町を登った個所に櫃石と呼ばれる巨石があり、これを中心として原始時代の祭祀遺蹟が発見され、多数の遺物を出土して、同山に対する古代祭祀の一端が実証せらるるに至った。すなわち本遺跡は当代において赤城神を奉斎した遺跡であり、櫃石は神霊を招請する磐座に相当するものである。」
南方向より
大場 磐雄 「祭祀遺蹟」 角川書店 昭和53年
四月末のいやに熱い青空の下、櫃石まで左へ500Mの立札を過ぎると真っ直ぐの登りになる。路は広く歩き易いが出会ったのは自転車を抱え荒山から下ってきた三人組の男性だけ。やがて疎らな松林の広い尾根上に当然のように、しかし、ひっそりと置かれたようにこの石はあった。考えてみると、山頂方向から流されてきたのか飛んできたのか、下へも両側へも落ちず、この地点にとどまったこと自体が奇跡的なことで信仰対象の第一歩となるのに相違なく、往昔尾根上の木々の無かった状態を想像すると古代の人々が山麓よりこの石を視認できたことも充分考えられ、石の傍らでの祭祀とともに麓からの仰ぎ見る信仰もあったのではないだろうか。 2010 .4. 25