所在地 伊勢崎市米岡町
姥石
案内標識
説明版に、江戸時代には「百日咳」をいやすご利益があるとされていたとありますが、「咳」は「関」「堰」「境」の感じがしてなりません。「境の神」の可能性もあるのではないでしょうか?
最初は境東小学校の閉まった門扉の前に車を置いて探したがわからず、写真の297号線の案内標識のそばの自治会館らしき建物前の空き地に移動して、新しい住宅地の中の細い道を東に進んでいきましたが、まつたく所在が分かりませんでした。たまたま若い女性とその子供さんでしょうか、6,7才位の女の子がキャッチボールをしていましたので尋ねましたところ、「甘酒ばあさん」はこっちですよと通過してきた路を戻り家と家の間の路地に入っていき案内をしてくれました。まさしく目の前に説明板があり右手には「甘酒ばあさん」がいたではありませんか。
「日輪寺には明治十七、八年頃より山田某女子の開きたる幼稚園あり。予が弟
貞二郎ここに遊びし故予も折々行きしことありき。寺僧予の名刺と予の顔を見くらべ、
どうやら見覚ある御人のように思ひゐたりとて、旧事を語る。境内に咳嗽の
婆さまとて小さき石像あり。咳嗽を病むものこの石像に祈願し、病治する時は
甘酒を供るなりとぞ。この日甘酒の徳利五、六十本ほども並べてありたり。」
永井荷風 断腸亭日乗 大正13年4月22日 岩波書店