「荒砥村誌」 鹿沼 明 昭和49年
梅化桜天神
西大室字天神に菅公を祭る天神社がある(明治四十三年大室神社へ合祀)。老松の茂る丘上に岩石重畳し、其の上に宮が建てられている。この境内に梅の木を植えると数年にして桜に化すと言う。この天神は梅化桜天神と称した。現に梅を植えたものが彼岸桜に似た花梗の長い花を開いている。
所在地 前橋市西大室町
梅花桜天神、バイカオウテンジン。なんと人を惹きつける呼称なのだろうか。
空は青く澄み渡り、みどりの草むらの上の赤い建物がなんとも不思議な空間を
醸し出していて、雑踏の国道50号から少し入った場所なのに、この静けさ、
明るさは、巨石が消え去った今も、伝説、物語に違わずこの小丘にふさわしい。
天神社